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楽しい植物観察日記」カテゴリーアーカイブ

アセビ

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 園芸種ですがアセビが花盛りです。雄しべの半葯にそれぞれ1個ずつの刺状突起が付いています。刺状突起で花筒の中を狭くして、訪花昆虫の口吻が触れると葯が揺れて花粉を振りかける、というねらいです。
このあたりのことなら、少し詳しい解説書には出ています。この刺状突起にはさらに細かい突起があって、口吻が触れやすくなっているというところまで書いてある文献はあまりありませんが、「知るほどに楽しい植物観察図鑑」では、そこまで記述致しました。
ぜひご確認をお願い致します。
ところで、いま、「植物生態観察図鑑-おどろき編-」の続編を執筆中で、アセビを登場させるので、観察し直していたところ面白いことに気が付きました。刺状突起が全体として捻れているのです。1個は右巻きに、もう1個は左巻きに。道理で刺状突起が花筒の中で不規則に暴れていたわけです。観察の種は尽きないものですね。

☆ 横1024ピクセルの大型画像は、植物生態観察図鑑(mizuaoiの写真館改題)でご覧下さい。
  http://mizuaoi.photo-web.cc/index.htm

春はナニワズの花から

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 北陸石川県にも春が来ました。春一番を告げる花木はマルバマンサクとナニワズです。27日は厳しい寒さで雪も降っていましたが、28日は一転してポカポカ陽気でナニワズが咲き出しました(咲き出していました)。
植物図鑑には、「雌雄異株」とか「はっきりしない雌雄異株」とか書いてありますが、実際は「雌株」と「両性株」とからなる「雌性両全異株」であることが分かっています。
 詳しくは「植物生態観察図鑑-おどろき編(全国農村教育協会)」で13ページにわたって記述してあります。ナニワズの解説では、これ以上に詳しいものは無かろうと自負いたしております。ぜひお読み下さい。

☆ 横1400ピクセルの大型画像は、mizuaoiの写真館でご覧下さい。
  http://mizuaoi.photo-web.cc/index.htm

春姿オオアカウキクサ

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 オオアカウキクサという水生シダ植物を2009年12月から栽培しています。
多年草で冬でも枯れないのですが、さすがに外気に触れている箇所は枯れます。枯れ方にはいろいろの程度がありますが、茎は枯れていないようで、春になると若葉を伸ばしてきます。
枯れた箇所(3)を返してみると、その下にはちゃんとみずみずしい若葉が生きていました(4)。

大型画像は植物生態観察図鑑でご覧下さい。
http://mizuaoi.photo-web.cc/index.htm

マメガキ(豆柿)

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 マメガキという果実の小さな柿の木が自宅の庭にあります。図4で分かるように親指の先ほどの小さな柿です。
 白山麓では干し柿にして昔はお茶請けにしたのだと聞いたことがあります。熟したものが甘いことは知っていたので、食べてみたところとても甘かったが、後味が渋かった。これは未だ完熟していなかったのだろう。
 このマメガキは実生で、数年前から果実がなるようになっていましたが、いつもカラスに食べられてしまって口には入らなかったものです。今年はじめて干し柿にするため、300個ほど収穫しました。どうなるか分かりませんが自然乾燥させてみることにしました。

☆ 横1024ピクセルの大型画像は、植物生態観察図鑑でご覧下さい。
  http://mizuaoi.photo-web.cc/index.htm

オニバスの種子

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 このところ、連日のようにオニバスの種子が浮かんできます。
完熟すると、果皮が溶けて、果実中の種子が水中へ浮かび出ます。ただしその瞬間を見る事は極めて困難です。なにしろ、深夜から未明にかけてであることが多いからです。夕方見たときには、何の変化もなかった水槽に、翌朝沢山の種子が浮かんでいることがほとんどです。
 10月6日の午前中、何の変化もなかった栽培プールでしたが、午後3時頃に覗いたときには、ぽっかりと種子の集団が浮かんでいました。珍しく日中に種子を解放した果実です。それでも、5個ほどの種子がすでに集団から離れて散らばっていました。
この集団はわずかの風で、水面をスルスルと流れていきます。種子と種子の間の乳白色の柔らかな組織で辛うじてつながっている種子は、やがて離ればなれになって、水面へ散らばります。翌日の午後には栽培プール一面に分散していました。

☆ 横1024ピクセルの大型画像は、mizuaoiの写真館でご覧下さい。
  http://mizuaoi.photo-web.cc/280onibasusyusi2.htm