いま、スプリング・エフェメラルのエンゴサク類が次々と開花しています。
石川県で現在記録されているエンゴサクの仲間は、正式発表ではありませんが、次の5種類と言われています。
ジロボウエンゴサク、ヒメエンゴサク、ヤマエンゴサク、キンキエンゴサク、ミチノクエンゴサクです。
この内、ジロボウエンゴサク、ミチノクエンゴサクはかなり特徴がはっきりしていて同定にはそう困ることがありません。問題は、ヒメエンゴサク、ヤマエンゴサク、キンキエンゴサクです。この三者は基本種ヤマエンゴサクの変種同士ですからよく似ています。新日本植物誌(大井次三郎 至文堂)では、キンキエンゴサクの識別点として、「種子は縁辺に近く微小な乳頭状の突起がある。本州(近畿地方)」となっています。
確実な同定のためには、「種子にある乳頭状突起」を確認することが必須ですが、なかなか実行する機会がありませんでした。一つには、辺り一面に生育していても花が咲く株が意外に少なく、加えて結実する株も少ないことです。群生していた場所へ足を運んでも全く果実が見られないこともありました。また、スプリング・エフェメラルなので、果実が完熟するのと逆行して葉が枯れていくため、見つからないこともありました。はじめて種子にある乳頭状突起を確認したのは、2004年5月10日です。目が慣れてきて、それ以後はどんどん見つかるようになりました。そうやって観察を続けますと、私がこれまで見ていた自生地で種子を見ることができたものではすべて乳頭状突起を確認できました。すべてキンキエンゴサクでした。
画像15コマを使って解説してありますので、下記、植物生態観察図鑑をご覧下さい。
鶴来の樹木公園でたくさん見ることができます。
☆ 横1024ピクセルの大型画像は、植物生態観察図鑑(mizuaoiの写真館改題)のFILE290でご覧下さい。 http://mizuaoi.photo-web.cc/index.htm